──トラブルを悪化させない「捨てる勇気」と「次打の設計図」
ティーショットが右にスライスして林へ。誰もが経験するこの場面で、スコアを崩す人と踏みとどまる人の差は、技術ではなく「心の設計」にあります。
ボールを探しながら「木の間を抜けるかも」と希望を抱くのは、冷静さを欠いたギャンブルの始まりです。今回は、伝説のゴルファー・中部銀次郎氏の教えを軸に、林からの脱出を「再起のチャンス」に変える思考法を整理します。
中部銀次郎が唱えた、魔法の言葉「ごめんなさい」
日本ゴルフ界の至宝、中部銀次郎氏は林から確実に脱出する際、心の中でこう唱えたといいます。 「ごめんなさい」
これはミスをした自分を責める言葉ではなく、「1打罰を払う潔さ」を持つための心の安定剤です。 「ごめんなさい」と認めた瞬間に、無理な攻めから生じる「焦り」が消え、呼吸が整います。形成外科専門医の視点で見ても、深い呼吸は自律神経を安定させ、筋肉の硬直を防ぎます。ミスを受け入れる一言こそが、次の一打を冷静に打つための最高の処方箋なのです。
ただ出すのではなく、3打目を「デザイン」する
100切り・90切りを安定させるゴルファーは、林からの脱出を単なる「回避」ではなく、**「次打の設計」**と捉えます。
- 位置出しショットの意識: ただフェアウェイに出すのではなく、「どこに出せば、3打目でグリーンを狙いやすいか」を逆算します。
- 得意な距離を残す: 3打目を自分の「打ちたい番手」で打てる場所へ運ぶ。
「捨てる勇気が、結果を拾う」という中部氏の言葉通り、派手なリカバリーショットよりも、地味で確実な「位置出し」がスコアメイクの本質です。
「後ろに打つ」という戦略的な撤退
前方にわずかな隙間が見えると、つい狙いたくなるのがゴルファーの性です。しかし、成功確率が70%を切るようなルートは、戦略的に「捨てる」べきです。
もしボールが木の根元にあったり、スイングが制限されたりする場合は、「後ろのフェアウェイに出す」という選択肢を常に持っておきましょう。勇気を持って1打を捨てることは、ダブルボギーやトリプルボギーを回避し、ダメージを最小化するための立派な攻めの戦略です。
実践!林からのリカバリーを支える「日常の練習法」
トラブルショットを現場で成功させるには、練習場でのシミュレーションが欠かせません。
- パンチショット(ローボール)の習得: ボールを右寄りに置き、スタンスを狭くして低い弾道を打つ練習。枝の下を通す「武器」になります。
- ハーフスイングの精度向上: 9番アイアンなどで方向性だけを意識し、フェースコントロールに徹する練習。
- メンタルのリセット: ボールを探しに行く前に必ず深呼吸をする「ルーティン」の確立。
まとめ ── 林は「反省」ではなく「再起」の場所
林に入ったとき、それは「罰」ではなく、あなたのゴルフの人間性とマネジメント力が試される「試練」です。
中部銀次郎氏の教えを思い出し、「ごめんなさい」と一礼してフェアウェイに戻る。そして、次の一打を冷静に考える。これができるようになったとき、あなたのスコアは劇的に安定し、100切りの先にある景色が見えてくるはずです。
林の中で『ごめんなさい』と唱える勇気。その背景にある中部氏の深い哲学を、ぜひこの一冊で味わってみてください。スコアを設計するための真の知恵が詰まっています。
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