「ボールを変えたら調子が狂った」
「新しいアイアンが全然しっくりこない…」
そんな経験、ゴルファーなら一度はありますよね。
実は、イギリスにはこんなことわざがあります。
“It takes one year to get used to a new golf ball, two years for new irons, and three years for a new wedge.”
直訳すると──
「ボールに1年、アイアンに2年、ウェッジに3年」。
つまり、道具を変えると、それに慣れるには長い時間が必要だ、という英国流の知恵です。
ちょっと皮肉まじりの表現ですが、実はゴルフの本質を突いた深い洞察でもあるのです。
✅ このことわざの背景
この諺は、19〜20世紀の英国アマチュアゴルファーの間で広まったと言われています。
当時のクラブは今のような最新素材ではなく、木製ヘッドや軟らかいシャフト。
製造精度も今ほど均一ではなく、道具の“当たり外れ”が非常に大きかったのです。
そのため、クラブを買い替えるとスイングを大きく修正しなければならず、慣れるまで何年もかかることもありました。
現代のクラブは品質管理が向上していますが、「慣れるには時間が必要」という本質は今も変わりません。
🎯 実際にありがちな“失敗あるある”
1. ボールを変えてスコアが乱れる
「飛ぶと評判のボールに替えたら、アプローチの距離感が合わなくなった」
→ ボールは打感・スピン性能が違うため、特に100ヤード以内のショットに大きな影響を与えます。
2. 新しいアイアンが全然飛ばない
「最新モデルのアイアンを買ったのに、飛距離も方向性も安定しない」
→ ロフト角やライ角、シャフト重量の違いが、以前の感覚を狂わせる原因になります。
3. ウェッジの距離感が崩壊
「新しいウェッジを入れたら、寄せが全然決まらない」
→ バンス角やフェースの削り方が微妙に違うだけで、バンカーやアプローチで大苦戦。
👉 こうした「道具替えあるある」を体験したゴルファーは、きっと多いはずです。
🏌️♀️ 実際に慣れるまでの目安は?
もちろん現代ではフィッティングや練習環境が整い、昔ほど時間はかかりません。
それでも、多くのゴルファーが実感する「慣れるまでの期間」は以下の通りです。
用具 | 慣れるまでの目安 | 解説 |
---|---|---|
ボール | 数ラウンド〜1か月 | 打感やスピン性能の違いに慣れる必要あり |
アイアン | 3〜6ヶ月 | ロフト・ライ角・シャフト重量の影響が大きい |
ウェッジ | 半年〜1年 | バンス角・フェースの開閉・打感など繊細な要素が多い |
特にウェッジは「距離感」「バンスの使い方」が感覚依存。
練習場よりもラウンドで慣れるしかないクラブです。
👨🏫 プロゴルファーでも苦しむ“道具チェンジ”
道具に慣れるのは、アマチュアだけでなくプロでも難しいことです。
- 契約先が変わり、新しいクラブを使い始めてスランプに陥る選手
- 長年使ったパターを変えた途端、入らなくなるトッププロ
- 逆に「古い名器」を使い続ける選手も少なくありません
プロでさえそうなのですから、私たちアマチュアがクラブを変えてすぐ結果が出ないのは当然なのです。
💡 道具と“付き合う”感覚が上達につながる
慣れるまでの期間は「苦しい時間」ではなく、自分と道具が馴染んでいく成長の時間です。
- 「このクラブなら寄る気がする」
- 「このボールは芯に当たると気持ちいい」
そんな“信頼感”が芽生えるまで、時間をかけて打ち込むことこそ、上達の近道。
道具を変えるたびにゼロから始めるのではなく、**「その道具と一緒に成長していく」**感覚を持ちましょう。
🔧 賢い道具選びのアドバイス
- ボールは一定期間使い続ける
→ 打感とスピンに慣れるまで使い込み、比較は同条件で行う。 - アイアンはフィッティング重視
→ ゴルフショップや工房でライ角・シャフト重量を合わせれば慣れる期間が短縮される。 - ウェッジはラウンドで慣れる
→ 練習場ではなく、芝・バンカー・グリーン周りでの使用を重ねること。 - 中古クラブを試す
→ 中古なら「現物を打ってそのまま購入」が可能。新品で“届いたら違った”を防げます。
📚 中古クラブ・ボール・フィッティングサービスの活用
「慣れ」に時間がかかるからこそ、賢い買い方・選び方が重要です。
- ゴルフパートナー 中古クラブ検索
→ 現物を打って、そのまま購入できる安心感 - 楽天市場 ゴルフボール特集
→ 同じボールをまとめ買いして、しっかり慣れるまで使い込める - じゃらんゴルフ(試打会情報あり)
→ 新クラブを試せるイベントを活用して、慣れる時間を短縮
👉 「道具との慣れ」を投資と考え、買い方から工夫していきましょう。
📖 まとめ:道具と“会話する”ゴルファーになろう
「ボールに1年、アイアンに2年、ウェッジに3年」
──英国の古いことわざは、焦らずゴルフとじっくり付き合う大切さを教えてくれます。
ゴルフは「道具を変えたから上手くなる」スポーツではありません。
「その道具と一緒に上手くなる」スポーツなのです。
道具を信じ、時間をかけて会話するように使い込む。
その姿勢こそが、スコアを安定させ、ゴルフの楽しみを深めてくれます。