テレビやネットで見る女子プロゴルファーの試合は、華やかな舞台そのもの。
しかし、その裏側には一般の会社員やアルバイトとはまったく違う、シビアな世界があります。
ツアー通算4勝の実力者・藤野オリエプロが語った一言は、その現実を端的に表しています。
「プロゴルファーは日雇い労働者。でも、日雇いなら働けばお金がもらえる。プロは予選落ちすれば、お金を払って帰ることになるんです」
今回はこの言葉を起点に、プロゴルファーの経済的現実、続ける理由、そしてアマチュアが学べることを掘り下げます。
1試合にかかる経費は15万〜30万円。予選落ちは赤字
女子プロツアー（JLPGA）に出場するためには、多くの経費が発生します。
- 交通費（遠征・飛行機・新幹線など）
- 宿泊費（3〜5泊が一般的）
- キャディへの報酬（固定＋歩合）
- 食費・練習場利用料・調整費
合計すると、1試合で15〜30万円以上かかるのが普通です。
予選を通れば賞金が出る可能性がありますが、予選落ちなら賞金ゼロ。
つまり、試合に出るだけでお金が減るケースも珍しくありません。
「頑張った」では1円も入らない世界
会社員なら出社すれば給料がもらえます。アルバイトなら働いた分の時給が支払われます。
しかしプロゴルファーは、どれだけ練習しても予選を通らなければ収入ゼロ。
努力がそのまま収入に結びつくとは限らない、極端に成果主義の世界です。
稼げるのはほんの一握り。プロ＝自営業と同じ
JLPGA年間賞金ランキングを見ても、上位30位以内で年収1,000万円以上。
しかしそれ以外の選手は、
- シード権を失い試合数が減る
- スポンサー契約が切れる
- ケガで試合に出られない
など、非常に不安定。
プロは個人事業主と同じで、経費（遠征費・キャディ代・用具代）は全額自己負担です。
なぜ、それでも続けられるのか？
収入ゼロや赤字のリスクがある世界で、多くの選手は何年も戦い続けます。
理由はシンプルで、「ゴルフが好き」だから。
そして、「次こそ勝てるかもしれない」という希望があるからです。
この「好き」という原動力は、どれだけ環境が厳しくても折れないモチベーションになります。
アマチュアが学べる3つのこと
プロの世界からは、私たちアマチュアも多くを学べます。
- 1打の重みを感じること
1打で収入が変わる世界だからこそ、その重みを意識する。 - ミスを次に活かす意識
プロもミスはします。大事なのは「どう修正するか」。 - 投資の覚悟
ゴルフ道具や練習時間への投資を惜しまない姿勢。
これらはスコアアップにも直結します。
まとめ：夢の裏側を知ると、応援の気持ちが変わる
藤野オリエプロの言葉は、プロゴルファーの厳しさを端的に表しています。
華やかな表舞台の裏では、資金・時間・精神力のすべてを賭けて戦っている。
この現実を知ることで、観戦や応援の気持ちも深まり、ゴルフの面白さも増すはずです。
「ミスは忘れるんじゃなく、“忘れない”ようにメモしておく」──藤野オリエ
スコアが悪かった日も、悔しい思いをした日も、次の一打につなげる。
それがプロもアマも同じ「ゴルフを続ける理由」なのです。
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