「6インチルール」は本当にゴルフのルール?

6インチ ルール

──世界が首をかしげる、日本だけの「特例文化」

ゴルフは「球聖」ボビー・ジョーンズが語ったように、
「自らを律するゲーム」です。

その本質には、「一度打ち出したボールは、ホールアウトまで手で触れてはならない」という厳格なルールが存在します。

ところが――
日本では「6インチOK」というローカルルールが当然のように使われているのをご存じでしょうか?


目次

6インチルールとは?

「6インチルール」とは、フェアウェイ上でボールのライ(芝の状態)が悪いとき、手で6インチ(約15cm)以内にボールを動かしても良いとする“特例ルール”です。

これは正式なルールではなく、ローカルルールとして日本のアマチュアコンペで広く採用されています。
▶ 公式ルールブック(R&A / USGA)には一切記載がありません。


なぜ日本では当たり前になったのか?

日本だけでこのルールが普及した背景には、以下のような事情があります。

  • コンペを円滑に進行させるため
  • 初心者や高齢者への配慮
  • 芝が軟らかくディボットができやすいため

こうした事情は理解できますが、「あるがままをプレーする」というゴルフの精神から見ると、やや疑問も残ります。


ゴルフは「自然と自分に挑むゲーム」

ディボットに入ったボールも、「運」と「実力」の一部。
それを手で動かしてしまうことは、自然との勝負を放棄する行為とも言えます。

本当に上達を目指すなら、ルール通りにプレーする覚悟が必要ではないでしょうか?


海外では通用しない! 6インチは罰打対象に

海外のゴルフ場では、6インチOKなどという文化は存在しません。
もしも手でボールを動かせば、ルール違反として1打罰を課せられます。

日本独自の「ゆるいルール」が、国際的には通用しないという事実を、私たちはもっと認識するべきです。


結論:「6インチ」は“やさしさ”か“ゆがみ”か

  • ✅ 6インチルールは正式ルールではない日本の特例
  • ✅ ゴルフの精神は「あるがままを受け入れること」
  • ✅ 海外ではこの慣習は存在しない
  • ✅ 上達を目指すなら“ルール通り”に挑む勇気も必要

このルールを「知って使う」か、「知らずに使う」か。
それが、あなたのゴルフ観を大きく左右するかもしれません。


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✏️ 著者メモ

この記事は「書籍から学ぶゴルフ100切りの極意」ブログ編集部が執筆しました。
プレー経験と文献をもとに、「ゴルフの精神を守りたい」という思いで執筆しています。

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