引き算のゴルフ——100切りを目指すための守る戦略

引き算のゴルフ
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攻めるゴルフと守るゴルフ

ゴルフは「攻めるスポーツ」だと思っている人は少なくありません。ドライバーで遠くまで飛ばし、林に入っても木の間からグリーンを狙う。バンカー越えも強気に打つ。それが成功すれば大きな達成感がありますし、プロのような華やかさも感じられます。

しかし、アマチュアゴルファーが100を切るために本当に必要なのは、この「攻めのゴルフ」ではありません。むしろ、 リスクを減らして堅実にスコアをまとめる“守るゴルフ” こそが重要です。そしてこの守るゴルフこそ「引き算のゴルフ」と呼べる考え方です。


引き算のゴルフとは?

「引き算のゴルフ」とは、無理な一打を“引く”勇気を持つことです。
ゴルフでは「1打で取り返す」意識が大叩きにつながります。たとえば林に入ったとき、木の間を抜いてグリーンを狙うと失敗率は高く、枝に当たってさらにトラブルになることが多いでしょう。ここであえてフェアウェイに出す。あるいは池越えを避けて安全なルートを選ぶ。これが引き算の考え方です。

「攻めない=消極的」ではありません。むしろ “リスクを最小限に抑え、確実にスコアを重ねる” 積極的な選択 が引き算のゴルフなのです。


「おーい!トンボ」に描かれたリスク管理

漫画『おーい!トンボ』にも、ナショナルチームや上級者が林に入ったときのリカバリーについて描かれている場面があります。そこでは「無理にグリーンを狙わず、一度フェアウェイに出す」ことが強調されていました。

この考え方は、中部銀次郎が語った「無理をしない勇気」「ボギーで収めるための判断」とまったく同じです。プロでさえリスクを避ける場面があるのですから、アマチュアが100切りを目指すならなおさら“守る選択”が正解だと言えます。


100切りできない理由は「欲張り」

アマチュアが100を切れない理由の多くは、スイング技術や体力不足ではなく「欲張りすぎ」にあります。

  • 林から無理にグリーンを狙ってOB
  • バンカー越えを強引に打ってホームラン
  • ロングパットを強く打ちすぎて3パット

これらはすべて「取り返そう」とする焦りや欲張りが招いた結果です。逆に言えば、冷静に守る選択を徹底すれば、100切りは十分に可能なのです。


実践で意識すべき4つのポイント

1. 成功率80%以上でなければ狙わない

ショットを選ぶときは、「このショットの成功率は何割くらいか?」と自問しましょう。80%未満なら無理に狙わず、安全策を取る方が結果的にスコアを守れます。

2. 飛距離より確実性を優先する

100切りを目指す段階では「飛ばしたい」気持ちは禁物です。自分が一番安心して打てるクラブ、例えばユーティリティやショートアイアンを選ぶことがスコアメイクにつながります。

👉 おすすめ:やさしいユーティリティクラブ
アマチュア向けに設計されたユーティリティは、打点が安定しやすく、林からの脱出にも使いやすいクラブです。

3. コースマネジメントを徹底する

「次にどこから打つか」を先に決めてからボールを置く意識を持ちましょう。ピン位置に合わせてフェアウェイの左右を狙うだけでも、次のショットの難易度は大きく変わります。

👉 おすすめ:戦略本やラウンド解説書
中部銀次郎や夏坂健の著作は、リスクを減らすゴルフの考え方を学ぶのに最適です。

4. 「ボギーで十分」というマインドを持つ

100を切るために必要なのは「すべてパーで回る」ことではなく「大叩きをしない」ことです。1ホールをボギーでまとめるだけでも、18ホールで90台になります。


トラブルショットからの具体例

  • 林に入ったら:木の隙間を抜こうとせず、まずは確実にフェアウェイへ。
  • バンカー越え:グリーンを狙うのではなく、横に逃げて寄せワンを狙う。
  • 長いパット:強気で入れにいくのではなく、まずは“寄せる”意識で2パット。

どれも「攻めないことで結果的に守れる」例です。


まとめ:100切りは守る勇気から

100を切るために必要なのは、ドライバーの飛距離でも、華麗なテクニックでもありません。無理をしない勇気と、冷静な判断力です。

「引き算のゴルフ」を徹底すれば、ダボをボギーに、ボギーをパーに変えることも可能です。攻めるゴルフに憧れつつも、まずは守る選択を積み重ねること。これが100切りを実現する一番の近道です。

そしてその実践を支えるのが、扱いやすいクラブ、考え方を学べる戦略本、日常的な練習器具です。正しい準備と冷静なマネジメントがあれば、林からでも冷静にスコアを守ることができます。

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