私は25年以上、形成外科医として外科手術や外来診療に携わってきました。医療の世界では、手術の全記録を記した「手術記録」が最も重要です。なぜなら、結果には必ず原因があり、それを記録しない限り「再現性」も「改善」も得られないからです。
ゴルフも全く同じです。100を切るという目標に対し、感覚だけに頼るのではなく、客観的なデータに基づいた「自己診断」を行う。これが最短のルートです
1. 「なぜ2枚なのか」の科学的根拠
ここで、なぜ1枚ではなく「2枚」に分ける必要があるのか、その医学的な理由をお話しします。
人間の脳、特に感情を司る「扁桃体」は、ミスをした直後に強く反応し、冷静な判断を鈍らせます。
1枚のカードにスコアと反省を同時に書こうとすると、どうしても「あそこで叩かなければ……」という後悔が混ざってしまいます。
そこで、 あえて物理的にカードを分けることで、「事実を記録する自分」と「感情・原因を分析する自分」を強制的に切り離す(デタッチメント)効果があります。
これにより、アドレナリンが出ているラウンド中でも、プロのような冷静な内省が可能になるのです。
3. AI分析の具体例(医師のカンファレンス形式)
具体的なAIへの入力は、以下のような形式が理想的です。
入力例: 「今日の56度ウェッジでのアプローチ。3回中2回がショート、1回がザックリ。状況は芝が薄い花道。自分ではインパクトで緩んだ感覚があるが、どう修正すべきか?」 するとAIは、物理法則に基づいた「打点」の解説や、心理的な「緩み」を防ぐルーティンを提示してくれます。
これは医療現場で行われる「症例検討会(カンファレンス)」と同じプロセスです。
自分の感覚(主観)を言語化し、AIの知見(客観)と照らし合わせることで、翌日の練習メニューという「処方箋」が驚くほど明確になります。
4. 中部銀次郎氏の哲学の深掘り
中部銀次郎氏は「ゴルフはミスのスポーツである」と説きました。
名医が術前にあらゆる合併症を想定し、起きた事象に対して冷徹なまでに原因を追究するように、彼もまた「なぜそのミスが起きたのか」という内省を極めていました。
100切りに必要なのは、スーパーショットではなく「大きなミスをしない管理能力」です。
2枚のカードは、まさにその管理能力を養うための「自分専用の医学書」となってくれるはずです。
ゴルフで100を切るためには、最新クラブやスイング理論を追いかけるよりも、まず自分のプレーをしっかり見つめ直すことが大切だと感じています。
私が実践しているのは、ラウンドごとにスコアカードを2枚用意する方法です。
これは、中部銀次郎氏の「記録と内省」の哲学にも通じる、とても効果的な上達法です。
