──なぜ日本のゴルフはハーフでランチを取るのか?
はじめに:海外ゴルファーが驚く「日本の常識」
私が日本でゴルフを始めて最も驚いたのは、
<strong>「9ホール終了後に、食事をしてから後半に入る」</strong>というスタイルでした。
私はもともとオーストラリアでゴルフを始めましたが、そこでは18ホールを一気にプレーするのが当たり前。
ラウンドが終わったあとに軽く食事や会話を楽しむのが一般的です。
だからこそ、途中でゲームを中断して昼食を挟むという日本のスタイルには、最初とても強い違和感を覚えたのです。
海外ゴルファーの声:「え?ラウンド中に飲酒?」
ある日、イギリス出身のゴルファーと一緒に日本のコースを回ったときのこと。
「途中で食事は理解できる。でもワインやビールを飲むなんて、スポーツの途中であり得ないよ」
──まさにその通りだと感じました。
アルコールが入れば集中力も落ちますし、プレーの質にも影響します。
スポーツ競技として見れば、かなり不思議な習慣です。
なぜ日本では“途中で食事”が常識なのか?
理由①:接待ゴルフの文化
高度経済成長期、日本ではゴルフが<strong>「ビジネスの場」「人間関係の構築の場」</strong>として機能していました。
「9ホール→食事→9ホール」は、休憩ではなく“コミュニケーションの時間”だったのです。
お酒が出るのも、そうしたビジネス文化の一環といえるでしょう。
理由②:ゴルフ場の収益構造
日本のゴルフ場は、<strong>レストランの収益も経営上の柱</strong>です。
そのため、プレーヤーに確実に食事をしてもらうために、あらかじめ「休憩あり」でスケジュールを組んでいる場合が多いのです。
海外のゴルフは「プレーの流れ」を優先
オーストラリアでは、プレー中に軽食販売のカートが巡回することはありますが、<strong>プレーは中断しません</strong>。
また、スコットランドでは寒さ対策としてウイスキーの小瓶を携帯している人もいますが、
ランチで堂々と飲酒するような文化とは性質がまったく異なります。
近年の変化:「スループレー」の台頭
最近では、スループレー(途中休憩なし)を導入するゴルフ場も増えています。
- サクッと回れるスタイルが若者や女性ゴルファーに人気
- 時間効率がよく、日常に組み込みやすい
- コミュニケーションよりも<strong>プレー重視の志向</strong>
これは、日本のゴルフ文化が「接待型」から「カジュアル型」へとシフトしている兆しとも言えるでしょう。
それでもやっぱり「日本らしさ」は面白い
私自身も今では、日本のゴルフ文化にすっかり慣れてしまいました。
ハーフで食べるカツカレー、つい頼んでしまうビール、仲間との冗談交じりの会話──
それもまた、日本のゴルフが持つ<strong>“社交の味わい”</strong>なのかもしれません。
まとめ:ゴルフは“世界共通のルール”、でも“楽しみ方”はローカル
- ✅ 日本のゴルフ文化は「社交重視」「経営重視」の歴史的背景あり
- ✅ 海外ではプレー中断は原則なし。集中力・効率を重視
- ✅ 近年、日本でもスループレー志向が高まっている
- ✅ それでも残る「ハーフ休憩+ランチ」は、日本らしいゴルフの醍醐味でもある
文化の違いを知ることで、より深くゴルフを楽しめる。
そんな気づきを得られるのも、ゴルフというスポーツの奥深さなのです。
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📝 著者メモ
この記事は「書籍から学ぶゴルフ100切りの極意」編集部が執筆しました。
プレーだけでなく文化の違いにも目を向けることで、<strong>“より味わい深いゴルフ”</strong>の世界が広がることを願っています。